ビキニ環礁の核実験場跡 / Bikini Atoll, nuclear tests site

マーシャル諸島
By: ROBERT HUFFSTUTTER

ビキニ環礁の核実験場跡の解説・紹介

マーシャル諸島共和国にあるビキニ環礁は、23の島嶼からなる美しい環礁です。その名が世界に知れ渡ったのは、1946年から1958年にかけてアメリカ合衆国が、23回もの核実験を行ったことにあります。

ビキニ環礁で行なわれた最初の核実験は、1946年日7月1日と7月25日に行われたクロスロード作戦です。大小71隻の艦艇を標的とする原子爆弾の実験で、アメリカ軍が接収した日本海軍の戦艦長門、軽巡洋艦酒匂やドイツ海軍の重巡洋艦プリンツ・オイゲンなども標的となっています。

ONE OF THE MOST IGNORANT TESTS EVER--NOT MY PHOTO
ONE OF THE MOST IGNORANT TESTS EVER–NOT MY PHOTO / roberthuffstutter

1946年7月1日の第一実験は空中爆発の実験で、7月24日の第二実験水中爆発の実験でした。1954年3月1日に行われたキャッスル作戦と呼ばれる水爆実験では、広島型原子爆弾の約1000個分の爆発力を持つ水素爆弾が試され、海底に直径約2キロメートル、深さ73メートルのクレーターができるほどでした。

この水爆実験では、日本のマグロ漁船・第五福竜丸をはじめ約1000隻以上の漁船が死の灰を浴びて被曝しています。また、ビキニ環礁から約240km離れたロンゲラップ環礁にも死の灰が降り、島民64人が被曝。島民は、強制的にロンゲリック環礁へ、更にキリ島へと移住させらています。現在にいたるまで、原島民は島に戻ることができません。

The destroyer USS Wainwright DD419 refuelling from the cruiser HMS Norfolk
The destroyer USS Wainwright DD419 refuelling from the cruiser HMS Norfolk / National Maritime Museum

1997年の国際原子力機関(IAEA)の調査によると、ビキニ環礁に住み、そこで得られる食料を摂ると、年間15mSv(マイクロ・シーベルト)を超えると推定され「永住には適さない」としています。

放射能レベル自体は、短期間の滞在では問題ないレベルまで下がっており、現在では美しい沿海、上記艦船はダイビングスポットになっています。リゾートホテルもあります。

なお、2008年4月にオーストラリア研究会議(ARC)が発表したビキニ環礁のサンゴ礁の現状によると、ビキニ環礁面積の80%のサンゴ礁が回復しているが、28種のサンゴが原水爆実験で絶滅したとあります。

2010年の第34回世界遺産委員会でユネスコの世界遺産リスト(文化遺産)に登録され、マーシャル諸島共和国初の世界遺産となりました。


“Castle Romeo” atmospheric nuclear test – March 1954 / The Official CTBTO Photostream
名称 / 英語名
ビキニ環礁核実験場跡 / Bikini Atoll, nuclear tests site
種別
文化遺産
登録基準
(4) 人類の歴史上重要な時代を例証する建築様式、建築物群、技術の集積または景観の優れた例。
(6) 顕著で普遍的な意義を有する出来事、現存する伝統、思想、信仰または芸術的、文学的作品と、直接にまたは明白に関連するもの(この基準は他の基準と組み合わせて用いるのが望ましいと世界遺産委員会は考えている)。
登録基準について
登録年
2010年
公式サイト
ユネスコ / UNESCO 公式サイト内の Bikini Atoll, nuclear tests site ページ

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