ベラヴェシュスカヤ・プーシャ/ビャウォヴィエジャの森(原生林)は、ポーランドとベラルーシの国境にまたがる原生林です。 総面積は1500㎢。そのうち東京都23区の面積とほぼ同じ625㎢がポーランド側にあります。
ビャウォヴィエジャの森(原生林)の解説・紹介
1979年に、ポーランド側がユネスコの世界遺産に自然遺産として登録され、1992年にベラルーシ側が追加登録されています。
このように国境を越えた世界遺産は、世界に7ヶ所、ヨーロッパには3ヶ所あるのみです。
ヨーロッパ・バイソン「ジュブル」の故郷
ベラヴェシュスカヤ・プーシャ/ビャウォヴィエジャの森は、ヨーロッパに残された最後の原生林と言われており、貴重なヨーロッパ・バイソンの棲息地としても知られています。
ジュブル(ヨーロッパ・バイソン)の故郷として、また多くの動植物のサンクチュアリとしても知られています。1000種を超える維管束植物、蘚苔類200種、地衣類300種、昆虫8500種、鳥類250種、哺乳類300種もの植物や動物が、太古から変わらぬ環境にある原生林に生きています。
この原生林の中央に位置するポーランド東端の村の名前がビャウォヴィエジャ(Białowieża)です。
ちなみに、日本でもお馴染みのウォッカ「ズブロッカ」(zubrowka)は、このビャウォヴィエジャ原生林のジュブル(ヨーロッパ・バイソン)に由来します。「ズブロッカ」を飲まれた方がご存知のように、鮮烈な香りがしますが、これは「ズブロッカ」の中にビャウォヴィエジャ産のバイソングラスの香草が入っているためです。
ジュブル(ヨーロッパ・バイソン)は、かつてはヨーロッパ中に生息しており、1万5千年以上も前のアルタミラやラスコーの洞窟にも描かれています。
しかし、中世以降の乱獲が原因で20世紀初頭には絶滅の危機にさらされ、1919年にはビャウォヴィエジャ原生林のジュブルは全て死に絶えてしまいました。死滅しました。
当時、世界中でわずか54頭となったジュブルから純粋種のものを20余年にわたって人工繁殖をして、1952年に最初の新生ジュブルをビャウォヴィエジャの森に帰すことに成功しました。現在、世界に約4000頭しかいないヨーロッパバイソンの25%ほどがポーランド領に生息しています。
5月から9月末が旅行ベストシーズン!
ビャウォヴィエジャの森は、15世紀初めにポーランド王ヴワディスワフ・ヤギェウォが狩猟を行って以後、歴代のロシア皇帝らの狩猟地として保護されてきました。
そのため、20世紀初めまで一切の開発や開墾が行われずに昔のままの姿を保つことができたのです。
今では、ビャウォヴィエジャ国立公園として、全体のほぼ半分が特別保護区に指定されており、特別保護区には厳しい立ち入り制限が敷かれています。
そのため、観光客は人の立ち入りが可能な定められたルート内での散策をする形になります。
ビャウォヴィエジャ原生林は、一般に針葉樹の多いヨーロッパの森とは異なり、全体面積の2/3が広葉樹林です。
四季を通じてそれぞれ違った表情を見せてくれるビャウォヴィエジャ国立公園は、ポーランドの内陸部とは異なったエキゾチックな景観や民俗文化、人の手と木の温りがある建築など文化的な魅力も備えています。
公園内には2つの宿泊施設があり、近くの村には民宿やペンションなどがあり、ロングステイなども楽しむことができます。
旅のベストシーズンは5月から9月末までですが、秋も深まる10月は「ポーランドの黄金の秋」と呼ばれる季節で、秋の陽を浴びた見事な紅葉を楽しむことができます。
- 名称 / 英語名
- ベラヴェシュスカヤ・プーシャ/ビャウォヴィエジャの森(原生林) / Belovezhskaya Pushcha / Białowieża Forest
- 種別
- 自然遺産
- 登録基準
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(9) 陸上、淡水、沿岸および海洋生態系と動植物群集の進化と発達において、進行しつつある重要な生態学的、生物学的プロセスを示す顕著な見本であるもの。
(10) 生物多様性の本来的保全にとって、もっとも重要かつ意義深い自然生息地を含んでいるもの。これには科学上または保全上の観点から、すぐれて普遍的価値を持つ絶滅の恐れのある種の生息地などが含まれる。
登録基準とは - 登録年
- 1979年
- 拡張年: 1992年、2014年
- 公式サイト
- ユネスコ / UNESCO 公式サイト内の Bialowieza Forest ページ

Bialowieza National Park / kamil.gopaniuk

spring / vlod007

bison / vlod007

morning in the forest / vlod007

deer / vlod007

roe deer – female / vlod007