コインブラ大学-アルタとソフィアの解説・紹介
コインブラ (Coimbra) はポルトガル中部地方にあるポルトガル第3の都市です。
11世紀にレコンキスタを展開したフェルナンド1世によってイスラム勢力から奪還された後は、コインブラにポルトガル王朝の首都が置かれ、13世紀にリスボンに遷都するまで、ポルトガル王国の首都でした。
コインブラ大学は、ポルトガルで最古の大学として知られています。1290年にリスボンで創立された、その後、1308年にコインブラに移転した経緯を持ちます。
コインブラは、16世紀以降、このコインブラ大学と密接に結びついて発展し、アルタ地区とソフィア地区には、大学の歴史を刻んできた様々な建物が残されています。
これらの建築物は、ポルトガル一国にとどまらず、ポルトガル海上帝国時代に植民地の大学群に与えた影響の大きさなども評価され、2013年に世界遺産に登録されました。 さて、コインブラ大学は、新しい部分と古い部分に分かれており、旧大学の建物は、今も一部が現役の校舎として使われています。
1630年代に旧大学に建てられた「ポルタ・フェレア」(鉄の門 / Porta Férrea)は、当時の医学、法学などの各学部を象徴する彫像で飾られており、ルネサンス様式やマヌエル様式が見られます。
「ポルタ・フェレア」(鉄の門)を入ると、内部にはかつてラテン語しか使えなかったことからその名が付いた「ラテン回廊」(Via Latina) 、あるいは、かつて宮廷の広間だった場所で、総長就任式や学位授与式といった大学の式典が行われてきた「帽子の間」(Sala dos Capelos) などがあります。
旧大学内のサン・ミゲル礼拝堂 (Capela de São Miguel) は、祭壇や堂々としたバロック様式のオルガンを備えており、その装飾の美しさが際立っています。
鉄の門から見て一番奥には、ジョアン5世の命令で1717年から1728年に建てられたジョアニナ図書館があります)。
ジョアニナ図書館 (Biblioteca Joanina) には、自然科学関連書籍など16世紀から18世紀の書物約30万冊が金箔塗りの美しい書棚に並べられています。啓蒙時代の大学の姿を伝えています。 ジョアニナ図書館のバロック様式風の玄関をはじめ、調度品は、華麗な金泥細工によって装飾されており、「ポルトガル最高級の文化財」「世界でも一、二を争う豪華な図書館」とも評されるほどです。
なお、旧大学を見学するにはチケットが必要で、大学の「鉄の門」手前の総合図書館にチケットオフィスがあります。
図書館の隣には大学の礼拝堂や博物館もあります。
- 名称 / 英語名
- コインブラ大学-アルタとソフィア / University of Coimbra – Alta and Sofia
- 種別
- 文化遺産
- 登録基準
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(2) ある期間を通じてまたはある文化圏において建築、技術、記念碑的芸術、都市計画、景観デザインの発展に関し、人類の価値の重要な交流を示すもの。
(4) 人類の歴史上重要な時代を例証する建築様式、建築物群、技術の集積または景観の優れた例。
(6) 顕著で普遍的な意義を有する出来事、現存する伝統、思想、信仰または芸術的、文学的作品と、直接にまたは明白に関連するもの(この基準は他の基準と組み合わせて用いるのが望ましいと世界遺産委員会は考えている)。
登録基準とは - 登録年
- 2013年
- 公式オフィシャル・サイト
- ユネスコ / UNESCO 公式サイト内の University of Coimbra – Alta and Sofia ページ

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Coimbra university main building / Falling Outside The Normal Moral Constraints