クラクフ歴史地区の解説・紹介
クラクフはポーランド南部にある都市で、ポーランドで最も歴史ある都市の一つです。ワルシャワから特急列車で約3時間の距離にあります。
ヴィスワ川の上流に位置しており、市街地はヴァヴェル城を中心にヴィスワ川両岸に広がっています。
歴史を紐解くと、クラクフは11世紀から600年近くポーランド王国の都として栄えた古都。近隣諸国からの侵略を受け続けたポーランドにあって、奇跡的に破壊を免れています。
「ポーランドの京都」とも呼ばれるように、戦禍を免れた旧市街には、は今も中世の頃の街並がそのままに残されており、ヨーロッパで最も美しい都市の一つに数えられています。
見どころ・名所が数多くある古都クラクフ
町の中心には、ヨーロッパ最大の広場リネク・グウヴヌィ(Rynek Główny)があります。一辺200メートル、面積が4ヘクタールに及ぶ広場には、お洒落なカフェや鮮やかな花々のあふれる屋台、みやげもの店などが立ち並んでいます。広場の中央には長方形の織物会館(スキェンニツェ Sukiennice)があり、二階部分は美術、一階部分は広場から自由に通り抜けできるアーケードになっています。
街の中央広場の北東にそびえるマリア聖堂は、1222年に建造されたゴシック様式です。聖堂の内部にはヴィト・ストフォシュ(Wit Stwosz)作の木彫による見事な聖壇があります。中世から残るものとしてはヨーロッパ最大のもので国宝に指定されています。
クラクフ市内には合計36もの美術館や博物館があり、その収蔵品の総合計は200万点以上にのぼるそうです。レオナルド・ダ・ヴィンチの『白テンを抱く貴婦人』(チャルトリスキ美術館所蔵)や、ポーランド国民画家ヤン・マテイコ(Jan Matejko)による、壁一面におよぶ巨大な歴史的絵画数点などがあります。
また、クラクフは学生都市としての顔を持っています。合計12の高等教育機関があり、10万人以上の学生が学んでいます。
例えば、1364年創立のヤギェウォ大学(Uniwersytet Jagielloński)は、ヨーロッパ最古の大学の一つで、中欧ではプラハのカレル大学に次ぐ歴史を持っています。古くはコペルニクス、若き日の故ヨハネ・パウロ2世らが卒業したことでも名高い、由緒ある大学です。
ヤギェウォ大学には、コレギウム・マイウス(Collegium Maius)という中世から残る建物があり、誰でも内部を見学することができます。
旧市街の南端には、10~16世紀にかけて歴代国王の戴冠式が執り行われ、居城となったヴァヴェル城(Wawel)があります。何世紀も増築を繰り返した王宮(Zamek Królewski)は、ロマネスク様式、ゴシック様式、ルネサンス様式など各様式が混在した華麗な建築物です。
ヴァヴェル城は、膨大な数の美術品などを所蔵しています。中でもブリュッセルの織物工房で作られたルネサンス時代のタペストリー138枚は、最も貴重なものとして知られています。
また城の中のジグムント礼拝堂の塔には、重要な出来事を知らせる時にしか鳴らさないジグムントの鐘が鎮座しています。 の人々やポーランドを代表する偉人が眠る墓所があります。
古都クラクフは、ワルシャワに首都の座を譲った今も、文化・芸術・学問の都として栄えています。
- 名称 / 英語名
- クラクフ歴史地区 / Cracow’s Historic Centre
- 種別
- 文化遺産
- 登録基準
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(4) 人類の歴史上重要な時代を例証する建築様式、建築物群、技術の集積または景観の優れた例。
登録基準とは - 登録年
- 1978年
- 公式オフィシャル・サイト
- ユネスコ / UNESCO 公式サイト内の Cracow’s Historic Centre ページ

Krakow old town and city centre at night / slickimages

Krakow old town and city centre in Poland / slickimages

old town krakow / eckmann

Wawel / exfordy

Krakow / vipeldo