中世都市トルン(トルニ)の解説・紹介
トルンは、ポーランド中北部ヴィスワ川のほとりに位置する都市です。ワルシャワからは列車で約2時間45分の距離にあります。
トルンは、地動説を唱えた天文学者・コペルニクス(1473~1543)の生まれ故郷として知られいます。また秘伝レシピで作られるトルン名物の蜂蜜と香辛料が入った銘菓クッキー「ピェルニク」でも知られています。
そして何よりも、中世以来変わらぬ旧市街の町並みの美しさで知られています。
中世のトルンは、ヨーロッパのこの地域では経済と文化の中心地に数えられていました。
トルンの歴史は1233年までさかのぼることができ、14世紀から貿易の重要な中継地として栄えました。バルト海への重要な水上交通路であったヴィスワ川に面しているため、貿易による取引が町を豊かにしたのです。
ポーランド北部でドイツ(チュートン)騎士団が勢力を強めていった時代、都市として大繁栄を誇るようになり、当時はヨーロッパの重要な商都の一つとなりました。
トルンの最盛期に築かれた建造物群は、ゴシック建築の秀作として高く評価されています。
その代表的存在が1393年に建てられた旧市街市庁舎(Ratusz Staromiejski)です。ゴシック建築指折りの傑作であり、北ヨーロッパ随一の壮麗な市庁舎となっています。
トルンの富を象徴していた市庁舎は、1703年にスウェーデン軍によって破壊を受けましたが、1722年から15年にかけて修復工事が行われ、屋根部分の壁(後期バロック様式)と寄木細工が美しい扉などの内部装飾が施されました。
1260年に着工された聖ヨハネ大聖堂(Katedra Św.Jana Chrzciciela i Św.Jana Ewangelisty)は、15世紀になってから完成しましたが、教会の塔にはポーランドでは2番目に大きな鐘があります。
中世の典型的な商家であるコペルニクスの生家は、現在、博物館として保存されており、多くの観光客が訪れています。
教会内部には、コペルニクスの洗礼に使用したとも言われる洗礼盤、そして荘厳で歴史を感じさせる、見事な内装品・装飾品を見学することができます。
その他、歴史的価値の高い豪華な内装品を持つ聖母マリアの被昇天(Wniebowzi?cie NMP)教会、石造りの中層住宅「ポド・グヴィヤズドンPod Gwiazd?」(星の家)、見事な石造集合住宅群などがあります。
また、歴史地区の史跡群には、ドイツ(チュートン)騎士団が残した廃城やヴィスワ川から長く伸びる市壁と門や監視用のやぐらなどもあります。
こうした壮麗な建築物群、そしてトルンの都市計画の素晴らしさが評価され、1997年世界遺産のリストに登録されています。

Toruń (Torun, Thorun, Thorn) / BiLK_Thorn

Torun city hall / Jason Riedy

Gothic Architecture Torun / Rubber Dragon

Toruń Rynek Staromiejski August 1990. PDT – Powszechna Dom Towarowy / sludgegulper

Torun 29 / Jeroen Fossaert

20060821 26 Torun / Logofag

Copernicus Monument Torun / Rubber Dragon
- 名称 / 英語名
- 中世都市トルン(トルニ) / Medieval Town of Torun
- 種別
- 文化遺産
- 登録基準
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(2) ある期間を通じてまたはある文化圏において建築、技術、記念碑的芸術、都市計画、景観デザインの発展に関し、人類の価値の重要な交流を示すもの。
(4) 人類の歴史上重要な時代を例証する建築様式、建築物群、技術の集積または景観の優れた例。
登録基準とは - 登録年
- 1997年
- 公式オフィシャル・サイト
- ユネスコ / UNESCO 公式サイト内の Medieval Town of Torun ページ